50時間以上かけて日本から「地の果て」ウシュアイアへ来た僕たち。
ついに乗船。
南極への10日間の船旅がはじまった。
船に乗ったらまずはパスポートを預けて、健康宣言書みたいなのに署名をした。
その後案内されるがままに進んで行くと、船のラウンジへ。ウェルカムドリンクを持ったウェイターが待ち構えてた。
最初に安全についての授業があるみたい。
10日間通してラウンジでの授業が死ぬほどあった。合計20回くらいあったんじゃないか?
すげー暇そうだと思ってたけど、おかげで乗船中はかなり忙しかった。こんなに忙しい日々は久しぶりだ。
初回の授業を終えると、部屋へ案内された。
まあまあ綺麗。
バルコニーもついている部屋で、2人部屋の中だとグレードはそこそこ上らしい。
部屋にいても暇なので、探検してみることに。
とりあえずWi-Fiがないと不便なので、Wi-Fiを購入しにレセプションへ。
10日で9万5000円。
たけえw
南極クルーズじゃなかったら、詐欺レベルな値段のWi-Fi。
リアルタイムでXなりで発信したかったので、これに関してはノーグダで買ったよね。南極からWi-Fiで通信できるってロマンあるし。
南極近づくに連れてWi-Fi途切れるかもって注意受けてたけど、案外南極大陸ついてからも通信繋がってビビった。ビデオ通話普通にできた。ただXでは動画や画像はあげづらかったな。長い動画は無理。短いのなら時間かけたらいけるくらい。
船にはジムもあった。
最高の景色を眺めながら筋トレ。まあまあいろんな器具が揃ってて、毎日ゴリゴリに筋トレしました。
あとは最上階にチェス専用テーブルがあったので、億人さんとやってみた。お互い初めてのチェス。ドハマリした。12戦、6勝6敗。完全に互角すぎておもろい。クソ悔しかった。クソおもろかった。
図書館もあったり、施設はかなり充実してた。豪華客船ってすげえ。
ご飯は毎食ビュッフェ。朝昼晩ビュッフェ。普段は一日大体2食だから久しぶりにめっちゃ食った感覚。授業なり上陸なりやることもそこそこあったので、もう飯かよって飯が来るごとに時間の流れの速さにビビった。まじで超速で時間が過ぎていった。充実しすぎてたんだろうな。
そんなこんなで、ドレーク海峡へ突入。
世界で1番荒れるで有名な海域だ。
別名「絶叫する60度」
写真だとわかりづらいけど、凄え揺れてる。
窓が海面にめっちゃ近づく。
まずは2日間かけて、南極大陸の上にあるサウスシェトランド諸島へ。南極の島だと思ってもらえれば分かりやすい。
南極には大陸だけではなく、大量の島々がある。
2日目の夜あたりかな。
ついに氷山が見えた。
案外早かった。
南極って意外と近いんだと思った。
すげえ。思ったより迫力ある。舐めてた。
もっと平らだと思ってた。氷山なんて本当にあるのか?と思ってた。1個見つけられたらラッキーレベルなんじゃねーかなとか思ってた。
完全に舐めてた。
そこら中に氷山がある。すげえ。すげええ。
ペンギンがいた。
流氷の上に乗ってた。
これ見れたの奇跡なんじゃないかな。
泳いでるペンギンはちょいちょい見つけてたんだけど、流氷の上に乗ってるペンギンはタイミング的にもこれ見れたの奇跡なんじゃね?
そう思っていた僕は甘かった。
どうやら南極初心者すぎたようだ。
大量のペンギンを発見。
これ全部ペンギン。
鳴き声うるせええ。いすぎだろ。さすがにいすぎだろ。
さっきまで可愛かったペンギンちゃんが、とんでもなくキモい生物に見える。
ペンギンの希少性0の世界。
3日目でこれを見せるなよ。おい。せめて最後にもってこい。これから出てくるペンギンに一ミリも感動しなくなるじゃんかよ。
奥の方の山の黒いボツボツすべてペンギン。10万匹以上はいるそう。半端じゃねえ。
南極大陸についたら、キャンプもした。
かなり海が落ち着いてた。
今回の南極旅で1番海が落ち着いていた気もする。良い日にキャンプができた。
雪を掘って、棺桶上にして、寝袋で寝る。それだけのキャンプ。クソシンプル。テントなんてものはねえ。南極なのにテントなんてものはねえ。
風にうたれて凍えて南極を味わえってことか。
ただ俺らはマジで誰よりも装備に課金して準備してきた。
40万以上はかけて南極観測隊とノースフェイスがコラボでつくった装備をすべて揃えてきた。正直汗ばむレベルで暑かった。比べてまわりの人はクソ軽装備の人もいた。ユニクロのウルトラライトダウンみたいなので来てる人もいた。当然彼らはキャンプで死にかけてた。一睡もできてない人もいたぽい。
僕らは逆に暖かすぎて、快眠。風が強いなー。くらいの感覚。
夜21時くらいから準備して、寝て、朝5時にはみんなで片付けて船へ帰った、
寝てる間にめっちゃ近くにペンギンが来たりしてて、それはおもろい体験だった。まじで2メートル先にペンギンいるみたいな状態だった。これはかわいい。2,3匹で活動してくれたらかわいいんだけどな。
VIP Restaurantみたいな要予約のフロアもあって、せっかくなので取ってみた。アンガス牛のステーキ。最高の上手い。いくらでもおかわり可能だった。
かつて1960年代に鯨油が貯蔵されていた建物の跡地に来た。
使われなくなった飛行場や、飛行機を収容する建物なんかもあった。
鯨油つまりクジラの油は、昔は石油の代わりに使われていたらしい。時代が進化するごとに、廃れて消えていく側と新しく台頭する側の2者が必ず現れる。
石油が台頭して消えていった鯨油。
工場生産が台頭して消えていった手動生産。
AIが台頭して消えていく多くの職業。
代わりが効かない仕事をするってのが結局強いんやなと。あとはAIには出せない人間としての魅力がある人、そしてそれを仕事につなげている人がこれからは強い。長く生き残る。
南極旅行はいろいろ考えさせられるものが多いもんだな。
それにしても、南極旅行にきている人たちはおもしろい人が多い。
・石油大国バーレーンの王女。プリンセスのアミーラ。1人で参加してた。クソパリピで一緒に踊った。
・19年会社を経営して後に会社をバイアウト。そこで入ったお金で世界中をご夫婦で旅している、ロンドンから来たレオナルドディカプリオ似のおじさん。
ご夫婦で世界旅しているらしい。南極来る前はサンティアゴからブエノスアイレスまでロードバイクで1ヶ月くらいかけて渡ったらしい。60歳超えててそれはまじでかっこいい。しかもご夫婦で。奥さんもめっちゃジムで筋トレしてたり健康意識やばかったもんな。
・シドニーで伐採の会社を経営しているおじさん。大きくてめちゃ綺麗な家を持ってる写真を見せてもらった。娘さんと来てた。従業員にボーナスで金をあげたり、社内マネジメントがユニークでおもしろかった。
・インドからきた、自らデザインしたアパレルを経営している姉妹。ニキとラヴ。数十万フォロワーたしかインスタでいた気がする。こんな感じのサラッと有名インフルエンサーは他にも多かった。
クソバイブスあった。意味わからん会話で基本盛り上がった。そしたら凄いやつだった。後から知った。だからもう知らんと思っていじり倒した。インド人のダンスパーティが夜あるらしくて誘われたけど、彼女らいなくて笑った。どゆことやねん。
・同じく日本から参加された800万回再生以上を出してるYouTuber。
正直存在感薄かったけど、ジンベエザメと泳いだり、南極に22歳で来てたり、普通におもろい。ピュアさ凄いけど、魅力度合い高い方だった。
・同じく日本から参加された立教大学生。人力車で稼いで南極来たらしい。
大学の思い出づくりで来たらしい。アメリカをチャリで横断したりもしてて、おもろい生き方してる。来年からM&Aの会社に入るらしいけど、起業も興味あるようだったので、いろいろ教えた。そしたら南極いる間に0→1突破してマネタイズ達成してた。行動力素晴らしい。ポテンシャル高いから今後が楽しみな人です。
・オーストラリアで会社経営してる女性。クライアントをたくさん連れて南極にきたらしい。これが2回目らしい。余裕と器のデカさが見るからに伝わってきてすごかった。シンプルにかっこいいと思った。女性だけど、身体が鍛えられてて姿勢が良かった。生物的に強い感じがあった。女性だけど男性性がある人は魅力的だなと思う。
・インド人の銀行員2人。俳優もしてるらしい。映画監督もしてるらしい。人生かけて挑戦してる感ある人がやっぱり多いんだよな。
・メキシコのスキューバダイバー。彼女も南極2回目らしい。ドレーク海峡の波の高さが好きらしい。生粋の海女なんやなと。1番仲良くなった。
etc…
出会いがおもろかったな。やっぱり。
英語をもっと極めたいとも思った。これから毎日1時間はマストで英語の勉強に当てることにした。退路を経って英語を極める。来年も10カ国以上海外での仕事が決まってるから、極めて得しかない。
南極旅も終盤に差し掛かり、最後の上陸探検になった。
南極の海に飛び込むアクティビティが本来あったんだけど、気候の関係で中止に。残念。北極の海でも飛び込めるらしいから、これは北極に持ち越しやな。
日本から来てた立教生はこれがショックすぎたのと、上陸探検に飽きて最後の上陸探検に来なかったんですよね。バットを振るのをやめてしまった。たしかにペンギン見まくったり、似たような氷山見まくったりで正直飽き始めてたのはみんなあった。
でももっと何かあるんじゃないか?わんちゃん来るぞこれ。なんかくるぞ。とさらなる何かを求めて、とりあえず億人さんと僕は上陸探検へ向かった。
そしたら奇跡が起きた。
10万匹以上のペンギンを見てきても見つからなかった、レア種マカロニペンギンがいた。
頭にオレンジの毛が生えてる、ペンギンのキングみたいな奴。
めっちゃ盛り上がった。奇跡だった。
双眼鏡を持ってる人でみんなで貸し合って、みんなで見た。
なんか良い雰囲気だったよなーあれ。世界各地から集まった、初対面のみんなで仲良くなって、奇跡をみんなで喜ぶ。最高だった。
僕らは飽きてもバットを振った。
だから奇跡が起きた。
南極旅行記②の事件でも同様。諦めないでバットを振ったから奇跡が起きた。
最後の最後までバットを振ったもんガチ。振ったやつにしか奇跡は起こらない。
飽きたわゆーて、クルーズ船内で寝てたら、暖かいし、柔らかいベットがあるし快適。だけど奇跡は絶対に起こらない。
しかもマカロニペンギン以外にももうひとつ奇跡が起きた。
クルーズ船に帰ろうとミニボートに乗った途端、波からアシカが海岸に出てきた。
吠えてた。
威嚇してた。
闘争心むき出しのアシカを見た。
これまで思いっきり寝てるだけのアザラシは見てきたけど、寝てんなーって感じで興奮しなかった。
けど最後の最後で、闘争心ゴリゴリのアシカ。なんだこれ。くそ興奮するやん。最後ちゃんと飾るじゃん。すげえ。奇跡以外でなんてあらわせばいいんだよ。
奇跡だらけで最高の南極旅だった。
そういえば、昔、夢ノートに書いた「好きな時に好きな人と好きな場所へ旅する」それが叶ってるって、ふと気づいた。
今回素晴らしい先輩であり仲間でもある億人さんと、最高の旅をした。
そして南極で、さらにたくさんの素晴らしい仲間を手にした。
またどこかで会うんだろうな。
日本に来たら必ず案内するし、彼らの国にいったら都合が合えば会いに行きたい。
出会いは素晴らしい。
人生は自分が主人公の漫画みたいなもんだ。
自分の船を前へ前へ進めて行く最高のストーリー。
まだまだおもろい世界を見たい。
南極よりおもろい世界が絶対にどこかに眠ってる。